賢い家作りへの道

住宅に関する基礎知識、お役立情報を発信していきます。

賢い家づくりへの道(木材編)

賢い家づくりを実現するためには、様々な知識が必要です。今回は、木造住宅には欠かせない「木材」についてお伝えします。一言で木材といっても、細かく分類すると数えきれないほどの種類に分かれています。今回は、大きく2種類に分けてご説明致します。

何故日本の住宅は古くから木が使われているの?

 私達人類は、これまで何世代にも渡って木材を用いた家を、居住の場としてきました。木材を使用する理由はたくさんあります。

1、身近な資材

 日本の国土における森林率を知っていますか?66%以上つまりは国土の約2/3は森林なのです。古来から日本人が木に親しみを持ち、住宅に使用してきたのはごくごく自然なことなのです。

、心地良い生活環境

 木材は気候に合わせ、自分が持つ水分を大気中に放出したり吸収することができ調湿性に優れています。空気もいっぱい含むため熱を通しにくく、結露の抑制にもなります。

また、木材を触った時の温もり、独自の柔らかな肌触り、木目の美しさは、住む人の心に安らぎと温かさを与えてくれます。

3、自然環境との調和

 木は、植樹によって再生可能な資源です。伐採というと環境破壊をイメージしがちですが、全くの間違えです。適切な間伐は木の成長の手助けになっており、豊かな自然が育つことにより光合成の量も増え、温暖化防止にもなっています。

4、耐久性と耐火性

 一般的に木は、鉄やコンクリートと比べて強度が弱く、火に弱いと考えられていますがこれも間違っています。

まず強度ですが、確かに同じ大きさの鉄と比べると木の種類によって変わりますが、約10倍程強度は弱くなります。しかし、地震等で建物に外力がかかる時の力は建物の重量に比例します。同じ大きさの鉄と比べ、木材の重量は約1/20程度。つまり、もし地震により同じ加速度がかかった場合、木造は鉄骨造より約2倍地震に対する耐力強いと言えるのです。

 また、木造は自然発火する温度が260℃と確かに他の材料よりも低いのですが、内部に空気と水分を大量に含む上、表面が燃えても炭化することで内部を守る性質がある為、内部まではなかなか燃えません。一方鉄や鉄筋コンクリートは強度が落ち始めるのは500℃程度と高いものの、熱伝導率が高く、崩れる時は一気に崩れてしまいます。

 実際に適切に管理をすれば、並外れた耐久性能があることは法隆寺や東大寺が証明してくれているのです。

 他にも、加工の簡易性や費用対効果など様々なメリットがあります。これからも住宅と木は、切っても切れない縁であるといえるでしょう。

木の種類!

木材の種類は、大きく分けて【無垢材】【集成材】の2つに分かれます。

 無垢材とは、木をカットして、一本の木から柱や梁などにしたものです。だいたいの方が、木材をイメージして浮かんでくるものは、無垢材で間違いないかと思います。これに対して、集成材は一度木材を小さく切ってしまい、それから接着剤で接合して柱や梁に成型したものです。柱などの断面を見れば、だれでも区別がつきます。無垢材では、元々が一本の木である為、年輪や木の目(木の模様)がすべてつながっています。集成材は、一定の大きさの木を貼り合わせているため、貼り合わせ部分で木の目が変わり、積木を重ねた様な模様となります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

【無垢材】

メリット:自然素材である為、シックハウス等に過敏な方でも症状が出にくい。消臭効果・調湿効果に優れている。床や壁に使用した場合、傷等の補修が容易。強度が長期間落ちない。

デメリット:木は、湿度や温度の変化があると、曲がり・反り・割れ等が発生する。(強度は問題ありません)その為、適切に工事を行わないと時間が経つにつれ壁にヒビが入ったり、床が傾いたりします。また強度等の性能も均一にならず、バラつきがでます。

【集成材】

メリット:複数の木を貼り合わせている為、木材特有の曲がり・反りがとても少ない。その為、性能が一定化し、大きな素材を作ることができ、柱を減らして広い部屋を作ったり、4、5階建てなど中高層を作ることができます。また無垢材と比べて安価である。

デメリット:接着剤を用いているので、シックハウス等に敏感な方は反応します。人工物のすべてがそうであるように、材料ができた時から少しづつ劣化が始まります。また水分を吸うことにより、接着力が落ちる可能性があります。

 今回記載させて頂いたこと以外にも、様々な違いがあります。木材の種類も、柱に適する木・床に適する木・ウッドデッキに適する木等様々です。正に適材適所!この判断は、私達プロにお任せ下さい!

 弊社では、構造体に無垢材を使用しています。また強度のバラつきを防ぐため、一般的には柱の大きさは105mmの角材を使用するのですが、一回り大きめの120mmを標準使用としています

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